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リベルサスの副作用

リベルサスの副作用
低血糖

リベルサスはの副作用として低血糖がよく挙げられます。日本人被験者が参加した臨床試験1)での低血糖について単独療法に関する試験の結果、用量依存的に低血糖の発現割合が高くなる傾向は認められていません。

また併用療法に関する第 III 相試験1)の結果については SU との併用時にその他の経口血糖降下薬と比較して低血糖の発現割合が高い傾向が認められ、メトホルミン(Met)及び SU の併用時に Met 単剤のみ併用した時と比較して低血糖の発現割合が高い傾向が認められている。その他の経口血糖降下薬併用時と比較してインスリン併用時に低血糖の発現割合が高い傾向が認められており、SUとインスリンの併用については注意喚起されています。表1-2)

急性膵炎(0.1%)

日本人が参加した臨床試験1)において、日本人被験者から本剤に関連した急性膵炎の報告はありませんでしたが、日本人以外の被験者からの報告がり、他の GLP-1 受容体作動薬においても報告がありました。嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等、異常が認められた場合には、本剤の服用を中止し、当院または近くの医療機関を受診してください。また以前に膵炎と診断された事がある場合は処方出来ません。

胃腸障害

胃腸障害は GLP-1 受容体作動薬に共通して認められる副作用です。各第 III 相試験において、本剤投与群で用量依存的に胃腸障害の発現が増加する傾向が認められた試験もあり、特に投与中止に至った胃腸障害については本剤14mg 投与時に多く発現する傾向が認められました。また、用量の漸増法について、3 つの用量漸増法(標準:4 週間 に 1 回漸増、緩徐:8 週間に 1 回漸増、急速:2 週間に 1 回漸増)が検討され、いずれの用量漸増法でも治療効果は同様であったが、急速な漸増を行った被験者で胃腸障害の発現割合が高い事が分かりました。その為本剤の第 III 相試験においては 4 週毎に用量を漸増する方法が推奨されています。自己判断で増量はしないように、医師の診断の上増量しましょう。

胆石症

GLP-1 受容体作動薬の投与により胆石症が発現することは、ビクトーザ®皮下注及びオゼンピック®皮下注の添付文書にも記載されていますが、実薬対照群と比較して本剤群で胆石症のリスクの増加は認められていません。 2 型糖尿病患者において過体重や肥満がしばしばみられ、これらは胆石症の特徴的なリスク因子であり、体重減少により更にリスクが増加すると考えられます。 体重減少の過程において、胆汁酸プールサイズ減少、コレステロール排泄の増加、及び急激な脂肪組織からのコレステロール流入により、胆汁催石性は促進されます。 また、GLP-1 受容体作動薬による胆嚢収縮と排出抑制、胆汁酸の産生減少及び炎症による変調が、胆石形成を誘引するとの報告もある (2-3。

まとめ

・リベルサスは単剤で増量する分には低血糖のリスクは変わりませんが、糖尿病治療薬(特にSUインスリン)と併用すると低血糖のリスクが高まります。単剤で正しく利用する事でそのリスクを抑える事が出来ます。その他に「急性膵炎」、「胃腸障害」、「胆石症」が副作用に挙げられるため、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等、異常が認められた場合には、本剤の服用を中止し、当院または近くの医療機関を受診しましょう。当院では丁寧なカウンセリングと問診で、患者様一人一人にあった安心・安全な最適な治療プランを提案させていただきます。その為糖尿病治療されている方や、過度な食事制限されている方などにはご希望の薬剤を処方出来ない可能性もございます。治療についてご不明な点があれば気軽にお問合せください。

表1)
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表2)

参考文献:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス インタビューフォーム」

1)第 III 相臨床試験(試験番号: 42334、42225、42246、42807 及び 42829 試験)、第 II/III 相臨床試験(試験番号: 42818試験)

2)Keller J., et al. : Regul Pept. 2012;179(1-3):77-83 (PMID: 22960288)

3)Pizzimenti V., et al. : J Clin Pharm Ther. 2016;41(2):116-8 (PMID: 26936090)

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