リベルサス開発経緯
GLP-1は小腸のL細胞から分泌されるホルモンであり、食後の血糖値上時にインスリン分泌を促進し、血糖降下作用を有することが知られています。しかしながら、内因性GLP-1はDPP-4により急速に分解されてしまうことから、効果がより長いGLP-1受容体作動薬の開発が必要とされてきました。 現在、有効かつ安全な糖尿病治療薬は複数存在していますが、より有効で利便性の高い2型糖尿病の治療が求められています。
複数の大規模臨床研究において、長期的な糖尿病合併症のリスクを減らすためには、厳密な血糖コントロールを維持することが重要とされているにもかかわらず、多くの2型糖尿病患者では長期にわたる合併症のリスクを最小限に抑えるために推奨されている血糖コントロールを達成していない状況にあります。1)
デンマークのノボノルディスク社が開発したセマグルチド(遺伝子組換え)(以下、セマグルチド)は、生体内のGLP-1と94%同じ構造となっています。セマグルチドを有効成分とする週1回皮下投与製剤(オゼンピック®皮下注2mg)は、食事及び運動療法で効果不十分であったときに使用する2型糖尿病の治療薬として米国及び欧州を含む世界各国で承認されており、日本においては2018年3月に製造販売承認されています。
日本では2020年3月に剤形追加として承認されています。 リベルサス錠は2型糖尿病の治療においてより利便性を高めるため、セマグルチドを経口投与可能とした製剤として開発されました。リベルサス®錠の4つの国際共同試験及び2つの国内試験により、様々な病期の2型糖尿病患者において、本剤3mg、7mg及び 14mgの単独療法及び併用療法による持続的な有用性が示され、より多くの慢性かつ進行性の2型糖尿病患者が、推奨される早期の血糖コントロール改善を達成できる可能性が示唆されました。 リベルサス®錠は米国、カナダ及び欧州連合(EU)でそれぞれ2019年9月、2020年3月及び2020年4月に承認され、米国、カ ナダ、デンマーク、スウェーデン、スイス及びオランダで発売されています。日本では2019年7月に製 造販売承認申請を行い、2020年6月に承認され、国内で販売される様になりました。