top of page

​レビトラ

開発経緯

レビトラ錠(有効成分:バルデナフィル)はドイツ・バイエル社で開発されたホスホジ エステラーゼ5(PDE5)阻害薬です。ED(勃起不全症)に対する治療の第一選択はPDE5阻害薬で、いくつかの薬剤が使用されています。

陰茎海綿体にはPDE5という酵素が多く存在し、このPDE5により勃起がおさまるので、PDE5を阻害することで勃起を持続させることが出来ます。しかし、そのほかのPDE(1〜11まである)にはあまり作用しない方が副作用が出にくいため、有効性と安全性の面から出来るだけPDE5に選択的に作用するED治療薬が望まれました。ドイツ・バイエル社では、上述を目的に種々の化合物の検索を行った結果、PDE5阻害作用がより強くかつ選択的なレビトラ錠 (バルデナフィル)を勃起不全治療薬として開発するに至りました1)。

現在、レビトラ錠は5mg, 10mg, 15mgが販売されています。

現在レビトラ錠が販売中止になっている件について

ドイツの工場での安定的な生産と供給が出来ないという理由で、2021年10月にバイエル社がレビトラ錠の販売中止を発表しました。そのため、現在国内では先発品の正規レビトラ錠を販売しているクリニックはなく、全てジェネリック(後発品)による販売となっています。当院では現在、国内レビトラジェネリックを採用していて海外製は取り扱っておりません。

<作用>

ED(勃起不全症)を改善して、勃起の開始や持続を助けます。

<特徴>

バイアグラの改良版です。

内服後、約15~30分後から効果が出る即効性があり、ED薬の中で最も勃起力増強作用が強いです。食事の影響も改善されてます(影響を受けない訳ではないので、食前30分前の服用がおすすめです)。副作用もバイアグラよりマイルドになっています。

<薬理効果>

陰茎海綿体平滑筋と関連小動脈を弛緩させて陰茎を勃起させるcGMPは、グアニル酸シクラーゼによる合成とPDE5による加水分解とのバランスにより調節されています。バルデナフィルはPDE5を阻害することによりcGMP量を増加させ、陰茎を勃起させます2)。

<用法用量>

通常、成人には1日1回バルデナフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口投与します。

10mgでは効果が不十分で、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができます。
高齢者(65歳以上)、中等度の肝障害のある患者については、本剤の血漿中濃度が上昇することがあるので、5mgを開始用量とし、最高用量は10mgとします。
1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上あける必要があります2)。

<食事との関係>

食事の影響は改善されていますが、影響を受けない訳ではないので食前30分の内服がおすすめです。特に脂質の影響を受けやすいので、脂質の多い食事との併用はお控えください。

<アルコールとの関係>

アルコールが適量であれば相乗効果が得られますが、過剰だと眩暈や悪酔いを起こすので注意して下さい。

<副作用>

比較的頻度の高い副作用として、頭痛(11.7%)、ほてり(10.6%)、動悸、眩暈、鼻閉、消化器症状を認めることがあります。レビトラ内服中の頭痛が気になる方は鎮痛薬で症状が緩和します。当院の片頭痛セットでロキソプロフェンを販売しているので、処方希望される方はご相談下さい。

服用できない方(禁忌)

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

・硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者

・心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者

・先天性のQT延長患者(QT延長症候群)、クラスIA(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド(経口剤)、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラスⅢ(アミオダロン(経口剤)、ソタロール)の抗不整脈薬を投与中の患者

・脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者

・重度の肝障害のある患者

・血液透析が必要な腎障害のある患者

・低血圧(安静時収縮期血圧<90mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧(安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)患者

・不安定狭心症のある患者

・リオシグアト、CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、ダルナビルを含有する製剤、ケトコナゾール(外用剤を除く)、イトラコナゾール、コビシスタットを含有する製剤)を投与中の患者

・網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]

・血液透析が必要な腎障害のある患者

・重度の肝障害がある患者

併用できない薬>

・硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)

・リオシグアト(アデムパス)

・CYP3A4を阻害する薬剤 リトナビル(ノービア)、アタザナビル(レイアタッツ)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、ロピナビル・リトナビル(カレトラ)、ダルナビルを含有する製剤(プリジスタ、プレジコビックス、シムツーザ)、ケトコナゾール(外用剤を除く)、イトラコナゾール(イトリゾール)、コビシスタットを含有する製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)

・クラスⅠA抗不整脈薬

・クラスⅢ抗不整脈薬

<注意事項>

・性行為は心臓に負荷がかかるため、心血管疾患の既往がある方は注意が必要です。

・4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国臨床試験で少数例報告されていて、持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合には直ちに病院を受診してください。

・めまいや視覚障害が認めることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意してください。

・本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けてください。

参考文献

​1)レビトラ錠 医薬品インタビューフォーム バイエル薬品株式会社

2)レビトラ錠 添付文書 バイエル薬品株式会社

レビトラ(バルデナフィル)10mg.png
レビトラ(バルデナフィル)20mg(1).png
bottom of page