アバナフィル
開発経緯
アバナフィルは元々、田辺三菱製薬が即効性があり副作用も少ないED治療薬として開発・研究しました。その後、2001年にアメリカのVIVUS社(ヴィーヴァス)に製造・販売権を譲渡し、2012年にアメリカでFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けています。アメリカではステンドラという商品名で販売されています。
作用
ED(勃起不全症)を改善して、勃起の開始や持続を助けます。
特徴
勃起増強力はバイアグラと同等くらいです。レビトラと同等の即効性、食事の影響のなさと副作用の少なさはED薬で1番と利点が多いです。即効性があり、食事の影響を受けにくいため急な状況でも対応しやすいです。
有効成分
アバナフィル
薬理効果
アバナフィルは、そのほかのED薬と同様PDE5阻害薬です。性的刺激などにより非アドレナリン非コリン作動性神経及び海綿体内皮細胞から放出された一酸化窒素(NO)存在下で、cGMP 分解酵素であるPDE5を阻害することにより、平滑筋を弛緩し、陰茎組織への血流を増大させて勃起不全を改善します。そのため、性的刺激のない状態では効果は発揮しません。
用法用量
通常、成人には1日1回50mgもしくは100mgを性行為の約30分~1時間前に経口投与します。
場合により200mgまで増量することが出来ます。
1日の投与は1回とし、服用間隔は24時間以上あける必要があります。
食事との関係
食事の影響を受けにくいため、食後すぐの内服も可能です。
アルコールとの関係
アルコールが適量であれば相乗効果が得られますが、過剰だと眩暈や悪酔いを起こすので注意して下さい。
副作用
比較的頻度の高い副作用とし、顔のほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなどがあります。シアリスと同様副作用はかなり少ないです。
アバナフィル内服中の頭痛が気になる方は鎮痛薬で症状が緩和します。当院の片頭痛セットでロキソプロフェンを販売しているので、処方希望される方はご相談下さい。
服用できない方(禁忌)
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者
・心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者
・不安定狭心症のある患者又は性交中に狭心症を発現したことのある患者
・コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50 mmHg)又はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100 mmHg)のある患者
・心筋梗塞の既往歴が最近3ヵ月以内にある患者
・脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者
・重度の肝障害のある患者
・網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]
併用できない薬
・硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)
・アミオダロン塩酸塩(アンカロン錠)
・効果の強いCYP3A4阻害剤(リトナビル、アタザナビル、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン、ネファゾドン、ネルフィナビル、テリスロマイシン、サキナビル)
注意事項
・性行為は心臓に負荷がかかるため、心血管疾患の既往がある方は注意が必要です。
・4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国にてごくまれに報告されています。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに病院を受診してください。
・投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けてください。
・めまいや視覚障害が認められることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
