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ピルについて

ピルとは

ピルには2つの種類があり、避妊目的の「低用量経口避妊薬(OC)」と月経困難症や子宮内膜症などの治療目的で保険診療下に処方される「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LE P)」に分けられます。それぞれ投与目的が異なり、処方区分も異なります。
 OC・LEPの両薬剤は女性の性と生殖の健康、さらには全般的な健康を守り、正しい情報のもとでの自己決定が重要です。あらゆる薬剤はその使用における便益(ベネフィット)が危険性(リスク)を上回るがゆえに「くすり」であるわけですが、特に本邦ではリスクが強調されるがゆえにその「くすり」本来のベネフィットが忘れられたり、十分に享受出来ない状況となることが多いように思います。特に女性の「生理現象」である月経をめぐる諸症状は「生理なので我慢すれば良い」「それぐらいでくすりを使う方がリスクがあって怖い」という一般の受け入れがいまだにあります。
 当院では患者様に大きなベネフィットをもたらすOC・LEPの両薬剤各種に関して、実臨床で遭遇するさまざまな場面に合わせた形でリスクを含めた詳細な解説をします。患者様の避妊や月経随伴症状にお悩みの多くの女性の不安解消や薬剤に関する知識について発信していきます。

<参考文献>日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEP ガイドライン2020年版」

低用量ピルについて

低用量ピルを1日1錠決まった時間に内服することで、ほぼ100%の避妊効果と生理痛改善効果や生理周期調整効果により日常生活のリズムが立てやすくなります。
日本では1999年に低用量ピルが認可されました。欧米に遅れること30年です。
しかし、認可が遅れたメリットもあります。それは、30年前に認可された国々の女性達の健康状態が今どうかを知ることができるからです。欧米の女性達は健康被害に不妊症の女性が増えましたか?それも違います。フランスでは約40%の女性がピルを内服していると言われていますが、人口は増加傾向にあります。
 ピルには毎日内服するわずらわしさや不正出血などのマイナートラブルはあります。しかし、それにもまして内服する女性に大いにメリットをもたらしてくれるものです。
当院では、女性の味方であるピルを処方前にメリットとデメリット(副作用)をきちんとご説明し、安心して使っていただけるように心がけています。

<ピルのメリット>

低用量ピルを1日1錠決まった時間に内服することで、ほぼ100%の避妊効果があります。

・服用をやめれば妊娠できます。
・月経周期が正しくなります。
・生理痛や生理の量が改善されます。貧血が改善します。
・ニキビが改善します。
・卵巣がんの発症率の低下
・子宮体がんの発症率の低下 etc

以上のように避妊効果以外にも多くのメリットがあります。

<ピルの分類>

低用量ピルは、「エストロゲン」と「プロゲスチン」という成分が配合されています。
エストロゲンは服用中の不正性器出血を避ける目的で周期の調節性に関係し、プロゲストーゲンは、排卵抑制という目的があります。
エストロゲンの配合量が少ない順に超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、高用量ピルと呼ばれています。現在日本では超低用量ピルと低用量ピルが主流となっています。

・高用量 :エストロゲンの量が1錠中50μgより多い
・中用量 :エストロゲンの量が1錠中50μg
・低用量 :エストロゲンの量が1錠中50μgより少ない(低用量ピルは30μg~35μg)
・超低用量:エストロゲンの量が1錠中30μgより少ない(ヤーズ、ルナベルULDは20μg)   

また副作用としてエストロゲンが血栓症のリスクとなり、プロゲスチンが脂質代謝への影響を及ぼします。そのためエストロゲンの含有量が少ない、低用量ピルや超低用量を処方する医療機関が多いという事が現状です。

<ピルの種類>

低用量ピルには、1相性、2相性、3相性の3種類があります。
1相性:エストロゲンとプロゲステロンが1剤に同量入っている低用量ピルです。1シート全て同じ薬剤ですので、飲み分けしないでよく、服薬の管理がしやすいです。
1相性は、将来的に妊娠を希望されている方に適しています。低用量ピルは排卵の復帰が早いというデータがあり、1相性の低用量ピルの内服をやめても1ヶ月で約88%、3ヶ月で約94%の割合で排卵が確認されています。

3相性:3段階でエストロゲン、プロゲステロンの含有量が異なる低用量ピルです。
3相性はホルモンの含有量のバランスが生理周期と同じお薬です。ですので、なるべく自然の生理周期に近づけたホルモンのバランスで過ごし、急激なホルモンバランスの変化によるPMS症状を予防したいという方に適しています。

女性のホルモンバランスはすべての方が一定というわけではなく、人によってホルモンバランスは異なります。1相性~3相性まであることで自分自身のホルモンバランスに合ったお薬を使用することができます。

<ピル避妊効果>

「100人の女性がある避妊法を1年間用いた場合の妊娠してしまう数(避妊に失敗する)」をパール指数と言い、パーセント(%)で表します。パール指数が低いほど避妊効果が高いという事が分かります。

低用量ピル:飲み忘れなく理想的に使用した場合のパール指数は0.3%、飲み忘れるリスクなども考慮した一般的な服用の場合は9%と報告されており、他の避妊法と比較して低いと報告されています。(参考文献:①、②)日本で実施された臨床試験成績を基にしたパール指数は0~0.59%であり、コンドームやリズム法と比較すると避妊効果は高く、女性避妊手術や薬物添加IUDに匹敵した避妊効果が認められています。(参考文献:③)

腟外射精:膣外射精はは避妊法の一つではありません。腟外射精のパール指数は22%といわれています。すなわち1年間に100人のうち22人(約4人に1人)が妊娠するということです。腟外射精があった場合は避妊しなかったと場合と同じ対処が必要です。(参考文献:④)

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図:各避妊法によるパール指数(参考文献:④)

<参考文献>

① FSRH Clinical Guideline: Combined Hormonal Contraception (January 2019, Amended November 2020)

② World Health Organization Department of Reproductive Health and Research: Selected Practice Recommendation for Contraceptive Use (2016) (Guideline)

③ 日本産科・人科学会/日本産・人科医会編:低用量経口避妊薬(OC),低エストロゲン・プロゲスチン配合薬 (LEP)を処方するときの説明は?.産帰人科診療ガイドライン・帰人科外来編 2020:164-169 (Guideline)


④ Trussell J. Contraceptive efficacy. In: Hatcher RA, Trussell J, Nelson AL, Cates W, Kowal D, Policar M. Contraceptive Technology: Twentieth Revised Edition. New York NY: Ardent Media, 2011.

<ピルの副作用>

<飲み忘れた時の対処>

<服用方法>

<身長投与と禁忌>

<併用注意>

<検査>
 

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