亜鉛は必須ミネラルの一つで、不足すると様々な不調につながる栄養素です。特に健康な肌、髪を保つために重要で、サプリで摂取している方も多いでしょう。
この記事では亜鉛の効果や働き、効率的な摂取方法について解説しています。
亜鉛とは
亜鉛は成人の体内に約2~4g含まれます。筋肉、骨に大部分が含まれるほか、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などに存在しています。
様々な酵素の構成・活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、免疫反応の調節など多くの働きを持っており、体内で作ることができない「必須微量ミネラル」です。
亜鉛の効果
人体にとって、亜鉛は様々な効果を持っています。健康増進はもちろん、美容にも重要な働きをしています。詳しくは以下のとおりです。
髪や肌の健康維持
髪や肌はタンパク質からできていますが、亜鉛はタンパク質の代謝を促進する作用があるため、健康な髪や肌を保つために重要です。
亜鉛を積極的に摂ることで太くハリのある髪の毛や美肌に繋がります。反対に、亜鉛が不足すると抜け毛や肌荒れの原因となるので注意しましょう。
新陳代謝の活性化
亜鉛は新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素をつくるため、タンパク質と合わせて摂取することで身体の成長や皮膚の正常化につながります。
そのほか遺伝子情報を伝えるDNAの転写にも関わっているため、特に成長期の子供は亜鉛を積極的に摂取することをおすすめします。
抗酸化作用
亜鉛は体内のビタミンAの抗酸化作用の活性化を促し、過酸化脂質によるダメージを防ぐことで生活習慣病の予防などに効果が期待できます。また、アンチエイジングにも効果的です。
生殖機能の改善
男性の前立腺や精子に亜鉛は多く存在し、精子の形成には必須です。亜鉛を十分に摂取することで生殖機能の改善につながります。
免疫力の向上
人間の免疫には自然免疫と獲得免疫の2種類があります。
自然免疫:生まれつき備わっている免疫機能(マクロファージなど)
獲得免疫:異物に応じた攻撃方法を記憶する後天的な免疫(リンパ球など)
亜鉛には、自然免疫力の維持と獲得免疫の情報伝達、抗体産生の調整という機能があり、不足すると全体的な免疫力の低下に繋がります。
味覚の正常化
私たちは味を「味蕾」という舌にある受容器官で感じています。味細胞は体内の細胞の中でも新陳代謝が非常に活発で、約1ヶ月ごとに生まれ変わります。亜鉛は細胞の再生に必要なため、亜鉛不足によって最初に影響を受けやすいのが味細胞なのです。
うつの緩和
うつ状態は神経細胞の刺激伝達がうまくいかないことで生じると考えられていますが、亜鉛は神経伝達物質を作るためにも必要な栄養素です。
また、亜鉛の値の低さとうつ病が関連していることを示す論文も報告されています。
参考文献:Swardfager, W. et al : Zinc in depression: a meta-analysis. Biol Psychiatry, 74 : 872-8, 2013.
亜鉛の副作用
亜鉛の毒性は極めて低く、適正な量を摂取していれば特に副作用の心配はありません。
過剰摂取した場合には以下のような症状が見られることがあります。
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悪心
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嘔吐
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食欲不振
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下痢 など
亜鉛の副作用
以下に該当する人は亜鉛が不足しがちです。
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お酒をよく飲む人
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スポーツを頻繁に行っている人
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日常的に汗を多くかく人
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偏食の人
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過度なダイエットを行っている人
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成長期の子供
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妊娠中・授乳中の人
アルコールは肝臓で分解される際にアルコール脱水酵素やアルデヒド脱水酵素が働いています。亜鉛はこれらを含む様々な酵素を活性化するために大量に消費されるため、飲酒量が多い人は慢性的な亜鉛不足に陥っていることがあります。
また、亜鉛は汗の中に多く含まれているため、スポーツなどで日常的に汗を多く書いている人は発汗量に比例して亜鉛の流出量も増加します。
その他、普段から好き嫌いが激しかったり、過度なダイエットで肉や魚をあまり食べないようにしていると摂取量が不足しやすいです。特にお子さんの場合、新陳代謝が活発で消費する亜鉛の量も多いため、なるべくバランスのよい食事を心がけて推奨量をクリアするようにしましょう。
厚生労働省が示している「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の推奨摂取量について妊娠中・授乳中の場合は一般女性より2~4mg程度多く設定されています
参考:亜鉛の推奨摂取量

亜鉛を多く含む食品
代表的な亜鉛を多く含む食品は以下のとおりです。
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牡蠣
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パルメザンチーズ
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煮干し
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豚レバー
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牛肉(赤身)
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卵
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カシューナッツ
亜鉛の吸収率をよくするためには、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取するとよいです。生牡蠣にレモンを絞って食べると非常に効率が良いでしょう。
また、バランスの良い食事を心がけていても、飲酒量や運動量によって亜鉛が不足することもあるため、必要に応じてサプリメントで補給することが大切です。
亜鉛はAGAの進行を抑制するのか
亜鉛とAGAの関係性については様々な研究が行われており、論文も数多く発表されています。
亜鉛がAGAの原因の1つである5αリダクターゼの働きを阻害するという論文が多く発表されており、基本的にはAGA治療に有効な成分であると考えられます。
一部の論文では亜鉛がAGAの原因であるジヒドロテストステロンを増加させるという発表もされていますが、そもそも亜鉛は健康な髪を作るために必要な栄養素ですから、AGA治療と並行して推奨量を摂取することは悪いことではありません。
現時点では亜鉛がAGA治療に直接効果があると断言はできませんが、間接的には必須の栄養素です。推奨量をクリアできるように摂取しましょう。
参考文献:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3207614/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6200703/
亜鉛はAGA治療のサポートとして有効
前述の通り、亜鉛には髪の健康を保つ働きがあります。育毛に有効な成分ではありますが、亜鉛単体でAGAの治療はできません。
当院のAGA治療ではフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルを国内最安値クラスで処方していますが、これらの処方薬を服用しつつ亜鉛を十分に摂取することがAGAの治療効果を最大化します。
健康な髪や頭皮はAGA治療のベースだという意識を大切にしましょう。
当院でも亜鉛サプリを製造・販売しています
当院ではAGA治療のサポートにお役立ていただけるL-リジンと亜鉛を高濃度で配合したサプリを製造・販売しています。
AGA治療中で思うように効果が感じられない方や、髪が細くなってきた気がする方、栄養の偏りを自覚している方などにおすすめです。ぜひお気軽にお試しください。