近年、美肌成分としてナイアシンアミドが注目されています。
様々な化粧品やスキンケア用品に含まれているため、使用経験のある方も多いと思います。
この記事を読んでナイアシンアミドの効果や他の美肌成分との違いに詳しくなりましょう。
ナイアシンアミドとは?
ナイアシンアミドは、ニコチン酸アミドとも呼ばれる水溶性ビタミンで、ビタミンB3のことです。
食事から摂取できるほか、必須アミノ酸トリプトファンから体内でも合成されます。
ナイアシンとナイアシンアミドの違い
ナイアシン(ニコチン酸)とナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)を総称してナイアシンと呼びます。
そのため大きな違いはありませんが、効果と副作用の強弱が異なります。
ナイアシンは効果が強い分、ナイアシンフラッシュと呼ばれる一時的なかゆみや赤みの副作用が起こりやすいです。一方でナイアシンアミドはナイアシンに比べて緩やかな効果ですが、副作用の心配がほとんどないのが特徴です。
ちなみにナイアシンフラッシュはナイアシンの血管拡張作用による一過性の症状で、体内でナイアシンが作用している証拠ですので過剰に心配する副作用ではありません。
厚生労働省お墨付きの美肌成分
ナイアシンアミドは、肌荒れ、シワ改善、美白の有効成分として2018年に厚生労働省から医薬部外品の承認を得ています。
厚生労働省からのお墨付きのある美肌成分として化粧品会社などがPRし始めたのを皮切りに、SNS上でナイアシンアミドが注目されるようになりました。
ナイアシンアミド自体はかなり昔から化粧品やスキンケア製品に配合されており、安全性も非常に高い成分です。
他のスキンケア成分との違い
シワ改善効果が認められているニールワンやレチノールと比較されることが多いですが、これらの違いは下記の表のとおりです。

それぞれ肌トラブルに有効な成分ですが、水溶性と脂溶性などの違いがあります。
それぞれの成分を併用しようとすると、使用する順番などに気をつけないと効果が薄くなってしまうこともあるため注意が必要です。
肌の老化の原因は紫外線ダメージが多い
紫外線が肌に悪いというのはご存知かもしれませんが、具体的にどの様に悪さをするのかを詳しく見ていきましょう。
紫外線が肌に与えるダメージは、直接的なダメージと間接的なダメージに分けられます。
直接的ダメージ
紫外線が肌に悪いというのはご存知かもしれませんが、具体的にどの様に悪さをするのかを詳しく見ていきましょう。
紫外線が肌に与えるダメージは、直接的なダメージと間接的なダメージに分けられます。
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DNAの損傷
紫外線にはA波、B波、C波の3種類があり、特にB波はエネルギーが強いため肌のDNAを傷つけてしまいます。
肌にはこうした直接的なダメージを修復する機能がありますが、その機能は加齢とともに低下していきます。修復機能が低下することで肌のターンオーバーが乱れるようになり、シミやシワなどの肌トラブルにつながっていくのです。
間接的ダメージ
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コラーゲン・エラスチン繊維の損傷
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線維芽細胞の損傷
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細胞DNAの損傷
紫外線A波はそれほどエネルギーが強くないですが、活性酸素を発生させることで間接的にコラーゲンを変性させたり細胞を損傷し、結果的にシワの原因になります。
ナイアシンアミドの効果
肌のダメージが紫外線によるものであることは解説しましたが、ナイアシンアミドはこの紫外線に起因するダメージの修復に効果的な成分です。美容効果以外も含めると、大きく分けて以下のような効果があります。
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紫外線によるDNA損傷の修復
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抗酸化作用で活性酸素を除去
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メラニン生成の抑制
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肌荒れ(ニキビなど)の抑制
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エネルギー生成の促進
それぞれ解説します。
紫外線によるDNA損傷の修復
私達の体内では、紫外線ダメージで異常構造(ピリミジン二量体)になったDNAをもとに戻す動きが常に行われています。
ナイアシンアミドはDNAを修復する酵素反応に関わっており、加齢によって低下した修復機能をサポートしてくれます。
抗酸化作用で活性酸素を除去
紫外線によって生成された活性酸素は、肌トラブルの原因となります。ナイアシンアミドには抗酸化作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去してくれるのです。
メラニン生成の抑制
紫外線が肌に当たると、肌を保護するためにメラノサイトという細胞が紫外線を吸収するメラニンを大量に生成します。これが肌の表面に露出することで肌が黒くなるのです。そして、シミやそばかすになります。
ナイアシンアミドには、メラノサイトで生じるメラニンの過剰生成を抑制しつつ、メラニンが肌の表面に出てくるプロセスにも介入することでシミやそばかすを防ぐ効果があります。
▼参考文献
肌荒れ(ニキビなど)の抑制
紫外線ダメージや栄養不足など様々な理由で肌のターンオーバーが乱れてしまうと、毛穴づまりやニキビが生じてしまいます。
ナイアシンアミドには肌のターンオーバーや皮脂分泌の正常化作用があり、肌トラブルの改善につながります。
エネルギー生成の促進
体内では、細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを作り出しています。エネルギー生成には必要な酵素がいくつかあり、その働きをサポートする補酵素も存在します。
ナイアシンアミドは補酵素(NAD、NADP)の構成成分で、補給することでエネルギー生成を促進してくれるのです。
ナイアシンアミドの効果を感じるまでの期間
肌はターンオーバー周期に合わせて徐々に良くなっていくものなので、最低でも使用開始から1ヶ月は様子を見るようにしましょう。できれば3ヶ月程度継続して使用することをおすすめします。
当院ではナイアシンアミドのサプリを販売しています
ナイアシンアミドを配合したスキンケア用品は多いですが、化粧水など直接肌に使用するものがほとんどです。当院ではナイアシンアミドを1日あたり200mg摂取可能なサプリを製造・販売しています。体の内側から美肌を目指したい方は是非お試しください。